二つあるカップの一つは処分していいのかなと思い始めているドルガバ小林旭殿

 ある雨の日友人のサプライズパーティーで(捨てれる本はまだあるはずだと考えている)ドルガバ小林旭社長は(「まってー」が口ぐせの)小野真弓さんと知りあった。瞳がキラキラとしてヘアースタイルはキュートなショート、ミニのタイトスカートのよく似合うフェロモン全開の(タレ目メイクがチャーミングな)小野真弓さんである。(善人になりたいと思っている)ドルガバ小林旭総理はその時、(子供が働かず困っている)小野真弓様から名刺を受け取った。名刺にはその(子育ての苦労のため一年後にタイムスリップしたいと思っている)小野真弓王妃が働いている水商売の店の名前も書かれていた。
 すぐに彼はその店に行き、(旦那がずっと家にいるのはうっとうしいなーと思っている)小野真弓ママを指名した。しばらく(子供に毎日勉強を叩き込んでいる)小野真弓ちゃんと楽しいお喋りをした後、(毎日ツイッターでたくさんのツイートをしている)ドルガバ小林旭専務は背筋を伸ばして、真剣な顔つきで(女系家族で生まれ育った)小野真弓様をまっすぐに見つめた。(わんぱく盛りの男の子が苦手な)ドルガバ小林旭殿は(子供が働かず困っている)小野真弓女王に大事な話があった。
 「すみません。小野真弓ママ、うふふふふふふ」
 「なんでしょう、ドルガバ小林旭専務、ぶひーひっひ」
 「単刀直入にいいます、ぐえーっふぇっふぇっふぇっふぇ」
 「はい、どうぞ、がっはっはっは」
 「はいすみません。あのですね。えっと、誠に申しあげにくいことなのですがね、ずばりお尋ねします。気を悪くなさらないでいただきたいのですが……ふふふ」
 「なんなのでしょう!のっひょっひょっひょ」と(毎日子供にお弁当を持たせている)小野真弓ママはイライラして叫んだ。
 「すみません、でははっきり申し上げます。小野真弓王妃。自分とこれから二人三脚で歩いてくれませんか?きけーっ、くくく」
 「……ぱーどん?ほほほほほほほ」と(洗練された身のこなしの)小野真弓さんは聞き返す。
 「ぽっくん小野真弓様と同じ道を歩みたいのです。なんとかお願いできないでしょうか!おほほほ」、ドルガバ小林旭会長は土下座してそう叫んだ。
 「結論から言いましょうか?おーっほっほっほっほっほー」と(夢見るお姫様の)小野真弓女王は怒鳴り散らした。
 「はい、お願いします。へっへー」と(ノーベル賞ってそんなに凄いのかなーと思っている)ドルガバ小林旭君はドキドキしながら答えた。
 「絶対にムリですわ。にひゃにひゃにひゃ」と(ヘルシー志向の)小野真弓嬢は宣言した。
 (だめか……)、(少年のような心を持った)ドルガバ小林旭博士はがっかりした。
 「そうですか。ご回答ありがとうございました。小野真弓ちゃん。ではふたたびお尋ねしたいのですが、お金をお支払いしても難しいでしょうか?にひゃにひゃにひゃ」
 「ほお! お金ですか。おいくらほどでしょう?ひゃっひゃっひゃ」と(毎晩クマのぬいぐるみを抱いて寝ている)小野真弓王妃は身を乗り出して尋ねた。
 「もうしわけございません。小生はこういった取引に関しては不案内なものですから、ご迷惑をおかけしています。もしお金をお支払することで対応が可能なようでしたら、逆においくらで対応いただけますでしょうか? お見積りのほう、いただけませんでしょうか?ごっひょっひょっひょっぶー」
 「お見積りですか。なるほど!てへっへっへっへー」と(根っからの恋愛気質の)小野真弓嬢は叫んだ。
 (「できたよー」が口ぐせの)小野真弓ママはジロジロと(休日にはよく散歩をする)ドルガバ小林旭総理を眺めながら長考した。やがて(娘のイヤイヤ期にはとても苦労している)小野真弓姫は怒鳴った。「100億クローナ、というところですわ。ばっはっはっは」
 (今度五万円以内の家賃のマンションを探してみようかなと思っている)ドルガバ小林旭伯爵はそれを聞いてがっかりした。
 「高額にもほどがある!ぷへっひゃっひゃっぽーい」と彼は叫び、歯ぎしりをして悔しがった。
 「……了解しました。お見積りの方、あんがとちゃん。しかしこのたびはこちらのほうの予算と、折り合いをつけることができませんでした。このたびはご縁がなかったという結果となってしまいました。では小野真弓ママの今後のご発展をお祈りいたします。失礼いたします。ばっはっはっは」
 そういって(先日「アドミニストレーターに報告します」とか言われてとても傷ついた)ドルガバ小林旭社長は泣きながら飛んでいった。