幸運

今日はとっても良いことがあったのさー!あると思います。山にて狭い道を歩いていたと思いねー。すると、向こうから、若い美女がやってきたと思いねー。誰もいない道ですよ。人っこ一人通らない道。そんな道で、若い美女が私という不審な男に出くわした。なんかされてしまうのではないか。危害を加えられてしまうのではないか。だって誰も通らないような、山深い道でですよ。奥地です。でもねえおめえ様がた。ぽっくんの心は天使のように清らかなに光り輝いているものですからね。ぽっくんが思ったのは向こうに対する気づかいです。あああの美女かわいそうに。こんな奥地で不審な男と出くわしてしまって。さぞかし恐怖でおののいているに違いない。襲われしまうのではないかと、心配しているに違いない。かわいそうに娘さん。娘さん、お逃げなさい。すたこらさっさっさーのーさー、すたこらさっさっさーのーさー♪というわけで、ぽっくんは、過剰なまでに、愛想よくして、ぽっくんは危険な男じゃないですよ、その心は天使のように清らかに、光り輝いていますよ、ということを、必死でアピールした。そして超狭い道にも関わらず、ぽっくんは崖がわに自分が身をよけてあげて、美女を通してやろうとした。自分が崖側に立ち、美女が安全に壁側の道を通り過ぎることができるように、配慮してあげた。するとどうだろう。踏みしめていたぽっくんの足の地面がふいに崩れてしまい、ぽっくんは危うく崖に落ちそうになった。大丈夫ですか!と美女は絶叫し、がっとぽっくんで腕をつかんだ。強くつかんだ!ぽっくんは大丈夫です、へっへっへ、といって、満面の笑みを浮かべて見せ、美女を安心させてあげた。でもぶっちゃけ、脚がつりそうになった。そして腕をみると、べっとりと擦り傷がついてしまっていて、ちょっと血が出た。血を見るはめになった。しかしその出来事。ぽっくんは幸運は出来事であると考えている。なぜともうすところの、大丈夫ですか!とか言われて、美女がぽっくんの腕をがっちりとつかみましたからねえ。それって役得じゃん?これをきっかけに二人が恋に落ちたり、付き合い出したりとかしたら、ドラマじゃん。でも、美女の顔もあんまり見なかったし、もう二度と会うことはないのかな、とも思うのだけど。