水がわり?

みなさん名作項羽と劉邦は当然読んでいることと思うのだけど、読んでない人いたら恥ずかしいよ。九九よりもさきに覚えて。その名作の中でね、股夫、韓信という偉丈夫が出てくるのだけどね、その股夫、豪傑なんですわー。なにが豪傑ってあなた、聞いたらびっくりするよ。びびるよ。びびるぜえ、へっへっへ。この股夫ね、会う人がいたのだけど、いや違うな、行くところがあったんだよ。漢の劉邦のところに行こうと思った股夫、ただ漢はね、いくためには高い山を登らなければならないのさ。で、股夫、一生懸命高い山をのぼったさ。で、もうへとへとよ。のどもからからさ。そんなときに、股夫は一軒の宿をみつけた。やりいとばかりに股夫は喜んだ。やた、のどもうるおせるし、メシも食える。ラッキー、ラッキー、あまがえる!と、股夫はひどく喜んだ。そして宿に入っていった股夫、宿の店長に注文をしたのさ。食べるものと、酒!そして股夫はがぶがぶと酒を飲んで、のどのかわきをうるおしたのさ。つまり股夫にとって、まさに酒が水がわりだったのさ。それってすごく豪傑じゃね?普通は、水くれ!っていわない。例えば砂漠で遭難し、十日間、飲まず食わずに歩きました。そして人と出会いました。まずその人になんていう?水をくれ!でしょ。でも股夫は違う。われらが快男児、股夫は違う。酒!と、まず第一声でいうのである。そしてがぶがぶ酒を飲んで、いやあかたじけない。すっかりノドのかわきがうるおった。ご苦労ご苦労。旅の者!と、旅のものをねぎらうのだ、股夫は。股夫ってそういうやつなの。ちょっとかわってるって言われることもあるけど。根はとってもいいやつ。訓練に遅刻した兵士を死刑したりするけど、それも彼は彼なりの愛のムチってわけ。まあ死刑なので、死んでますけどね。それもまた、愛のムチ。彼の心からあふれ出るありったけの愛を凝縮して、見える形になったもの、それが死刑ってわけ。まあ世の中にはそんな人間もいるのだよ。股夫よ、幸あれかしな!