うけることも

たしかにそう、おまえはMとSしか興味がないという。それにしか関心がないという。そしておまえのそういう生き方はどこか痛快だ。しかしGというものについて、おまえはどうおもっているのだろう。Gにくらべると、MやSはいろあせている。そんなふうに言う人もたくさんいる。おまえはそれには同意しないだろうか。おまえはいうだろう。そんな、いかにもなセリフ、好きじゃない。あまりにも当たり前すぎるその話、本当につまらない。好きじゃない。当たり前すぎてすきじゃない。おまえはそういうだろう。そしてその態度は確かに痛快である。たしかに、頭でっかちな人間ばかりで、ぽっくんもまた、たぶん頭でっかちな人間なのだと思う。でっかち、でっかち!でっかち祭りじゃい!おまえは頭でっかちであるよりはむしろ、愚かな人間であろうとする。己にあくまで正直であろうと心がけている。なにもかもを疑って、確信がえられないことを鵜呑みにはしない。ぽっくんだってそれについては同意見さ。たしかに、あまりにも当たり前すぎる話は、面白くない。徹底的に疑うことなく得られる確信なんてない。でもちょっと待ってくれ。そろそろカレーが温まってきたころだ。そろそろ食事をしようかと思うんだよ。この議論はまってくれ。ちょっとマテテ。豚のスペアリブと、うずらの卵と、あさりが入っているカレーなんだよ。まあうまいとはいわんが、そこそこなもんだぜえ。へっへっへ。うまいとはいわんが。そこそこは胸がおどるぜえ。食う前には。それとな、ぽっくんは今日、カツオのタタキも買って来たんだよ。それも食うつもりさ。スタミナ満点だぜえ、へっへっへ。食うのがとても楽しみさ。食欲があるというのは、健康のあかしさ。今日は日本酒も飲んでるよ。酒はしばらく飲むまいと思っていたけれど、ついつい飲んでしまっている。そういう状況になっているのさ、へへいへい。